白昼夢の欠片

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ゆっくりと眠たい、昼休み。 学校内の隠れ場所を 途方もなく探していた…。 施設の外階段の内側、狭い場所だけど。人が登る部分の下に隠れると見付からない コンクリートがひんやりとしている 他の奴らはあまり外に出ないから、追って来ない しばらくして、少しずつ瞼が重くなってきた ウトウトして、頭がぼんやりしてくる…… (この感覚が気持良い……) 「あんた誰?ここは、私のお気に入りよ」 一瞬、人間かと思うほど。それは良くできていた 15?cmくらいの大きさだろうかオレンジ色の髪と翠の目 真っ赤なドレス 人間との違いは飛び出した関節部分 しばらく人形を見ていた。 良くできた手が自分を殴った。「痛ぇな、テメェ。悪かったよ退けば良いんだろがッ!」 その場から離れて人形を見た。 糸も、モーター音も、アンテナも、ゼンマイも 見当たらなかった、そして聞かなかった………。 腕時計の仕掛けたアラームが鳴り響いた。 見渡した自分が居た場所は、建物の外階段の内側。 「何だよ、コレ。」 人間の指……? 頬にはヒリヒリとした痛みが走っていた。 指を良くみたら関節部分が飛び出していた。 中心は。骨みたいに真っ白な木白檀の匂いがする 血管を再現したワイヤーと糸屑 白くて、肌の柔かさと同じシリコンゴム。爪と同じ堅さのプラスチック 糸を動かすための関節は蒼白く光っていた 感心しながら、『人形の指』を見ていた。 ハンカチに包んでポケットにいれた。 建物に戻ってる最中、誰かとぶつかった。 そんな事も気にせず、ただ急いだ 部屋に着くと 「僕の貸しといたハンカチ返して、ノワール」 思いきりへの字に口を曲げているアッシュグレイの髪が目立っていた 「悪いな、ロイド。返す…」 指ごとハンカチを渡した。 驚くだろうな……多分 「桜貝か?コレ、海のモノだなんて。レアじゃないか? 短時間に誰かから貰ったのか」 「確か立ち入り禁止の場所を越えないと、早くは海に行けないけどさ」 別の街からじゃ無いと、海には安全に行けない。 「ノワール、誰かから殴られたのか?腫れてるけど…」 確かにこれは桜貝に見えるが。 ズボンのポケットを探したが、人形の指は無かった。 「変な物が当たっただけだ。」 それから夢に【人形】が出てきた。 「貴方、ノワールって言うのねツヤツヤした黒髪が素敵だからかしら」 人形は、口を歪まして、見下しながら笑っていた
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