エルン・ヴィクト

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アルトは少し薄汚いローブを羽織っている。 「んじゃぁちょっくら行ってくるから」 アルトはエルンを見ながら背を向けそういった。 いってらっしゃいと頼れる背中を見送る。 今は夕方だが別に仕事に行く時間は決まっていないようだ。 昼の時もあるし夜の時もある。 「…エルン、街にいってみたいか?」 急すぎる質問にエルンは驚きながらも即座に頷く。 過去に何度頼んでも許可をくれなかったにも関わらず… 「急にどうしたの?」 嬉しいのは確かだが、半分以上は驚きだ。 「いや…これといった理由もないが…まぁ気まぐれといったとこか。 じゃあ明後日行くか」 軽く微笑むアルトにつられ笑顔で頷いた。 アルトはそのまま目をつぶると光に包まれ消えてしまった。 いつもの転移魔法だ。
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