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灰色…もはや黒と表してもいいほど重厚な雲が空を覆い、太陽の光はほぼ地上に届いていない。
その雲からは雨が滝のように降り注ぎ、時折り激しい光と轟音を響かせている。
そんな最悪な天候の元、森の中を駆ける男が1人。
黒塗りを基本に所々に金の刺繍を施しているコートをまとうその男は、木々の間を早さを落とさず進んでいく。
(昨日の天気が嘘みてぇな雨だな…なんだってんだよ畜生…)
視界を遮るほどの豪雨と鼓膜を突き刺す轟音に顔を歪ませながらも、目的地に向かい急ぐ。
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