10人が本棚に入れています
本棚に追加
/56ページ
「っしゃー、やってやるか」
晴天、雲一つない空からはさんさんと日光が降り注いでいるはずだが木々の葉により遮られ森の中は若干薄暗い。
そんな中にやりと笑う白髪の少年とその少年を囲う複数の影…
〈魔獣〉と言われるその生物はこの世界中の至る所に生息し、種族によっては国を落とせる程の力を持つものもいる。
今、少年が相手にしているのは〈ゴラル〉と呼ばれる魔獣でまんまゴリラのような見た目だが全体的に橙色で爪も人に刺されば致命傷を与えることもできる長さがある。
パキパキと骨を鳴らし気持ちをほぐすと、ゴラルの中の1匹が少年の背後からおそいかかる。
それにつられ前後左右から次々と少年に襲いかかってきた。
少年は焦らず最初に襲いかかってきたゴラルを、振り向く時の回転を力に加え回し蹴りを放つ。
次の瞬間魔獣は飛びかかってきた時以上の速さで吹き飛び木に衝突、魔獣の重さと速さで木は呆気なく折れてしまった。
「おらぁ!次々こいやぁ!!」
普通の人間なら恐怖で震えてしまうだろうこの状況で笑顔をみせ楽しんでいるのがこの物語の主人公ーーー
ーーーエルン・ヴィクトである。
最初のコメントを投稿しよう!