10人が本棚に入れています
本棚に追加
/56ページ
「まっ、こんなもんかね」
エルンは戦闘態勢をとき、手を撫でる。
ゴラルの群れと遭遇することは珍しくはない。
むしろいい組み手相手としてほぼ毎日エルンの方から接触している。
元々見た目と違い凶暴な正確でないゴラルからしたらいい迷惑である。
(そろそろ帰るかなぁ)
上を見上げると葉の間から覗く太陽はちょうど真上あたりにある。
(薪ももって変えろ…)
先程ゴラルが衝突し折れてしまった木に近づき、手刀を突き刺す。
両手を同じとこに突き刺すとそのまま外に開き、木を半分に裂いた。
エルンは繊維に沿って綺麗に割れた木を顔色を変えずに両肩に担ぐと、そのまま森の中を歩き始めた。
最初のコメントを投稿しよう!