エルン・ヴィクト

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寄り道をしながら歩いていたので日はすっかり西に傾いていた。 しばらく歩き続けると拓けた土地に出てきた。 明らかに人為的に木の生えていないこの平地の中心にはログハウスが立っている。 手作り感のある少し歪んだ木の家で、壁に付けられている煙突からは煙が立ち昇っている。 エルンは木を家の近くに起き、家の中に入っていった。 「アルトー、ただいまー」 「おぉー」 家に入るとアルトが金髪を揺らしながら鍋を振るっていた。 「もう飯できるから座ってろ」 「わかった」 手を洗い、言われたとおり席につく。 これも木でできた手作り。 この家にある大体のものはアルトが自分で作ったらしい。 所々いびつだがなかなかしっくりもくる。
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