Scene.01:minor touch

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「日曜日に学校に行きたい?頭でも打ったんか?」 昼間過ぎ、6月。 暑い。 雄太が扇風機の前で涼んでいると 急に電話が鳴るので誰かと確認すれば 小さい頃から友達の門屋からだった。 電話を取らずに無視するか あるいはだるいからパスとだけ言って 電話を切るか迷ったが、結局取った。 雄太なりの優しさ、だ。 「打ってねーよばか。 違うんだよとりあえず聞けよ」 門屋がそう言う時は大概は何かあるのだが 「パス、日曜日やからさ」 と、非情にも彼が電話を切ろうとすると 「うぉぉおおい!!」 こう門屋は叫ぶ。 日常。 「うっさいな!で、なんでまた今日学校行きたいんだよ」 「聞きたいか?聞きたいよな?」 「聞かん」 「わーかったわかった!」 雄太が面倒臭がっているのを察したのか 門屋は少々足早に話し出した。    
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