Scene.01:minor touch

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プールはこの高校の運動場の端の端、 学校の敷地内の最も隅にあった。 だからプールの授業は移動が面倒臭くて そんなに好きではなかった。 「ここ?」 「おう。ここや」 〈用具入れ4〉と書かれた扉の目の前にたたずむ二人。 「で?」 雄太が眉間にシワを寄せながら門屋に訊くと 「うーん」 と扉を開けようとする門屋。 当然鍵、南京錠がかかっていて開かない。 「あれ?」 「お?どした」 門屋が鍵をいじりだした。 「え、どうしたんだよ」 「あいとる……」 なんでだ? 用具入れは5まであるが 他の4つはどう見てもきちんと鍵がしまっている。 なぜかここの南京錠だけが、 締めている、風だった。 緩んでいた。 「でも中はなんもないだろ」 雄太がそう言う前にもう門屋は扉を開けた。 「……おい?」 門屋が扉を開けて動かない。 問いかけても動かない。 すると、門屋は一瞬こわばった顔をしたと思うとすぐに 「あ、あぁああ!?うわぁああ!!」 と叫び出した。 「は!?何、どしたんだよ」 驚きのあまりに尻をつく門屋。 彼が指差すその先には 異様な光景が広がっていた。 「……え?え……?」    
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