弐の巻

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お父様が名前の事で念を押した。 これから屋敷に向かう。 庶民のあたし達は、歩き。 こういう所は不便だと思うけれど、仕方無い。 「行って参ります…」 「行って参ります…」 あたしの言葉の後を、夕霧が続けた。 「呉々も体は壊すんじゃない。桜姫をお守りするのだから」 「気を付けてね…私達の事は気にしないで」 お父様とお母様に微笑む。 自分では笑っていたつもりだけれど、上手く笑えていたかな…。
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