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「朝霧(あさぎり)、明日から屋敷に出向かい、桜(さくら)姫様の下に仕えなさい」
夕刻お父様に呼ばれ、何かと思えばやはり良い話では無かった。
世は戦国時代。
あたしは朝霧。
あたしが生まれた所は、庶民の家で決して裕福では無かった。
でもあたしはお父様とお母様と暮らせればそれで良かった。
夕霧(ゆうぎり)という妹が生まれてからは、もっと幸せだった。
こんな生活が続くのなら、お金など要らない。
そう思っていた。
……先程迄は。
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