壱の巻

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あたしは? 十七歳になったら、身分の高い者に仕える定め。 分かっていたけれど…。 俯いて、膝の上で拳を作る。 夕霧はそんなあたしの様子を見ていた。 「でも…あたしも行きたいの!許可してくれないなら、お姉様も行かせない!」 ! 夕霧…? 「ふうむ…」 お父様は顔をしかめ、顎に手を当てている。 「…仕方無い。夕霧が其処迄言うのなら、特別に頼んでみよう」 !
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