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そのスプーンの先は小さなフォークのようになっていて、先が鋭いため容易く腕を傷をつける。
その痛みに耐え、唸るような声が漏れたが力は弱めない。
ローディアさんは慌てて俺を止めようとしたが、それを拒否する。
「これが、こいつが人間ですか?人間の皮を被った化け物ですよ。」
少し引き裂いたような傷口、刺した後力任せにえぐった事でしっかりと傷は開いていた。
しかし、その傷口から赤い血は流れることはない代わりに不気味で蒼い生き物が中にいた。
そこから這い出た一匹を掴みだすと、それは芋虫のような姿で目はなく透明の粘液を身にまとっている。
ローディアさんは一瞬驚いたが、じっとその生き物を見据えた。
そして傷口はたちどころに癒えて何もなかったかのように塞がる。
手に持った蒼い生き物は黒い煙を吐き出しながら、苦しみ抵抗していた。
「クハハ...今度はクソ虫野郎かよ。」
俺はソレを嘲笑うかのように爪をたてて握り潰す、すると蒼い体液をはじけてさせて絶命した。
少し体液が顔にかかったが、手にもその後は何も残らず体液は灰のように綺麗に消えてなくるなる。
俺はいったい何をしてるんだ.....
人間だと言って貰えた途端に、こんな訳のわからない奇行に及んでいる。
こいつらは地面から顔を出すと死肉を啜る存在だった。
蛇のような形から芋虫とも言えない様々な形をしていて、一様に目がなく蒼い体をしていて地面を這いずる様に行動するという共通点を覗いては多種多様な姿をとっていた。
食欲は旺盛で死骸を跡形もなく食してしまう、その際には聴くに堪えない音をたてる事からブギウギと名付けられている。
俺は地獄のような世界で、人間の遺体を啜るこの蒼い生き物を数えきれないほど殺してきた。
空を切り裂く化け物に大切な人を奪われ、幾度となくそれに抵抗した。
最後は巨大な黒い蛇に呑まれて.....
おれは何故まだ生きている。
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