1章 エイジ・アンダーウッド

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 気が付くと蒼い生き物(ブギウギ)を潰した手が震えていた。 震えていると分かったのはローディアさんが、静かにその手をとったからだ。  ローディアさんは俺の手を温もりで包んでくれる。 精霊ウィキは急に静かになったのをいいことに、空気を読めないほど興奮して飛んでいた。 「凄いねエイジ、それ何?ブギーちゃんとっても綺麗な蒼い色してたの、あたしも欲しい!」 ほんとに空気を読まない精霊さんだ。  なんだか恥ずかしさがこみあげているとローディアさんは口を開いた。 「あなたは怪我をしている。とても、大きな傷よ」と言葉を紡ぐ。 「その治療にはとても時間がかかるの、だけど大丈夫。ゆっくりでいいから治していきましょう?」 最後にそういって化け物みたいな俺を抱きしめてくれた。  ローディアはまるで青草のような香りがして、どこか優しい気持ちが溢れてくる。 その溢れた気持ちは、涙となって俺の頬をつたった。 この瞬間、やっとエイジ・アンダーウッドは安堵する。  彼は誰も知らない  誰も彼を知らない そんな黄昏の悪夢は過ぎ去って、ようやく青草香りたつの朝を迎えることができた。 そこには年老いた女性と煩い精霊がいる部屋だった。 エイジの傷ついた心はゆっくりと動き出す....
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