1章 エイジ・アンダーウッド

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 飛び回る光の玉をよそに、女性は再び語りかけた。 「エイジさん、わたしはローディア。そこを飛んでいるのは精霊と呼ばれるものよ。」 またまた驚いたことに、女性は日本語を喋っている。 「日本語がわかるんですか?ここはいったい....」 エイジは思わず浮かんだ疑問を返した、精霊とは何のことだか分からないが現状の理解が先だった。  それにローディアは答えてくれる。 「わたしには日本語がどこの言葉か分からない、会話ができるのは精霊の力よ。貴方が精霊と言葉を通わせたことで、わたしにも貴方の言葉が理解できている。そしてここは青霧の森にあるわたしの家よ、医者のようなことをしていて薬を造ったりしているの。」  そうして俺は、ここが異世界なのだと理解した。 ローディアの口からでる、国や人々の暮らしぶり精霊の話から、魔法や魔物の存在にいたるまで俺のいた日本には、元いた世界には存在しなかったものがでてくる。 俺の元いた世界が既に存在しないであろうことも..... それは確かに滅びを迎えていた。 最後に見たあの大きな鷲(ワシ)の化け物や巨大な黒い蛇も、まるで現実の出来事であった。 あの状況で世界が無事だったとは言えない、人間の生きる環境などではなかった。 そして、この体に巣食う不気味な蒼い生き物。 俺はこの化け物が魔物なのかと、ローディアに聞いた。 「わたしは実際に見ていないけど、この子(妖精)は違うと言っているわ。あなたからは魔素のような特別な力をもった気配が全くしないの、それは普通の人間と同じなのよ。」 普通の人間という言葉に胸を締め付けられるような思いがした。 これが人間? いまでも確かに感じるのだ。 俺の内側で蠢く奴らの気配を......
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