第一話

2/5
前へ
/6ページ
次へ
すっかり夕方になり、他の生徒が皆帰宅した頃。 西日の差し込む教室で、最後にただ一人残って机に伏せていた少年、星塚暁人──ほしづかあきと──はゆっくりと体を起こした。 「あー……しまったな」 暁人は無人となった教室を見回し、そう呟く。 寝ていた、というようなわけではなく、ただ考え事をしていた結果、ふと気付いたらこんな時間になってしまっていた。 集中すると良くも悪くも周りが見えなくなるのが暁人の癖である。 「流石に、入学そうそう僕を気付かせてくれる人はいないよなぁ……」
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加