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この日は入学式であり、体育館で校長のどうでもいい話を聞かされた後に教室でクラスメイトと簡単な自己紹介を済ませ、アビリティ検査を行った。
アビリティ──通常起こり得ないような事象をも引き起こす特別な能力。
暁人は中学卒業時にそれを持っている事が判明し、アビリティを持つ人々を保護──もとい隔離するため作られた都市国家『アルカディア』へと半ば強制的に移住させられた。
そして『アルカディア』の第三地区五番街にて、全寮制の学園生活を送る事になったのだが、暁人には一つ腑に落ちないことがあった。
アビリティを持つ者が避けられるのは仕方ないし、暁人を『アルカディア』へと送り込んだ両親を恨む気もない。だが──
(僕のアビリティは何なんだ?)
アビリティとはあくまで 能力 であり 技術 ではないため、その力を持つ者は感覚として──手足を動かしたり声を出したりするのと同じように──自らのアビリティで何が出来るかを理解し使用する事ができる。
だが暁人は──自らがどんなアビリティでどう使うのかが分からなかった。
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