休題二

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「…ここ、は」 俺は、目を覚ました。ここは何処だ?三成は?…体が鉛の様に重い、もう何日も眠っていた様だった。 「大和…!!目を覚ましたんだな!」 「家康…?」 「ああ!良かった…!!」 家康に激しく抱きつかれる。…家康がいるということは、俺は大阪に戻って来たんだ、ね?辺りを見回すと、見慣れた景色。どうやら俺はここに生還することができたらしい。 「い、痛いよ家康」 「ワシがどれだけ心配したと思ってるんだ!これ位許してくれ」 「う、うん…」 そんなに心配してくれたのか。申し訳ないことをしたなぁ…て、あれ? 「三成!!三成は!?」 「…三成、なら」 「三成の怪我は!?大丈夫だった!?」 彼の姿が見えない。何処に行ってしまったというのか?…こんな時、一番側に居てくれる存在だったのに。 「三成君なら、自室に篭りっぱなしだよ」 「半兵衛様…」 「おはよう、大和君。具合はどうだい?」 「傷は少し痛みますが、お陰様で」 「ま、とんだ無茶をしてくれたからねぇ…」 半兵衛様は俺の横に腰を下ろして、頭を撫でてくれた。…ほんとに、子供扱いだなぁ。三成と家康にはそうでもないのにさ。 「今回の戦も、此方側に死者は無かったと聞いている。よく頑張ったね」 「…ありがとう、ございます」 「でも、肝心の君が斃れてしまっては意味がないんだよ。わかるね?」 「…すみません」 今回の戦は、最低の戦だった。味方に死者はでなかったけど…俺は、自分のせいで三成を傷付けた。 「君にとって、学ぶ事も多い戦だっただろう。これからの成長を期待しているよ」 「はい、ありがとうございます」 「うん。さて…後は三成君、だね」 …部屋に篭ってるって、言ってたな。そんなに大変な怪我だったんだろうか?とても、心配だ。 「俺、三成のとこに行って来ます!」 「おい大和…!!無茶はしない方が!」 「大丈夫!」 俺は三成の事を考えると居ても立っても居られなくなって、家康が止めるのを聞かずに走り出した。
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