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朝日が昇る頃に目が覚めた。こんな早くに目が覚めるなんて、俺はもう歳だろうかって少し一人で悲しくなった。
「お、大和。早いな」
「家康。…俺より早いなんて、やるねぇ」
おっと俺より若年寄りが居たか、なんてふざけるつもりは毛頭ない。俺は家康が、昨日寝れなかったのを知っている。…アニキのこと、悩んでたんだろうな。
「四国か、いい所そうだよね。家康は行ったことある?」
「あぁ、いい所だよ。土地も、人も」
懐かしそうな表情をして目を細める。家康は、俺が思ってるよりアニキと仲いいんだろう。
「じゃ、着いたらちょっと怠けてデートしちゃおうか?」
「で、でーと?」
「好き合ってる者同士が二人で出掛けること…かな?」
「す、好き合う…」
おっと家康、顔が赤いぞ。反応が良くてついついからかっちゃうんだよね。家康が可愛いのが良くないよね。
「よし、そうと決まったら早く用意して出かけよう!!」
「そ、そうだな」
二人だけの旅なんだから、それ位許してくれるだろう。そう思うとちょっとだけ、ほんのちょっとだけでもやる気出るよね。…家康も、出たかな?
そういう訳で、俺と家康は四国へと旅立つのであった。
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