56人が本棚に入れています
本棚に追加
/115ページ
「俺、未来から来たん…だよね?」
「何を言っている…頭でも打ったか大和」
「…そう、なのかな…」
三成のこの反応、どうやら俺をおちょくっている訳ではないな…いや、三成がそんな事しないのはよく分かってる。
もしかして、ここは、俺が来るつもりだった世界よりもう少し前、なのかもしれない。二人が傘下で、豊臣で働いてる時代…俺は二人の同僚とか、そういう事になるんだろう。
三成に未来の記憶は無いみたいだ。…それはなんだか、ちょっと寂しい、な。
「大和!!」
「家康!!おかえり」
「あぁ、ただいま」
にっこり笑って答えてくれた所を見ると、どうやら目的は達したみたいだな…。
「大和、血を見て気分でも悪くなったか?大和は書類整備役なんだから無理をしなくてもいいんだ、態々戦場に来なくても…」
「家康!!!大和を甘やかすな!!」
「三成…ワシは大和を失いたくないんだ」
悲しい顔をして俺の頬に触れる家康、どうやら心配してくれていた様だ。…俺としては、敵の大将倒しに行った家康の方が心配なんだけど。
「大丈夫だよ、家康。ちょっと貧血気味なのかも…次は大丈夫」
「次って…また戦場にでるつもりなか?」
「2人が居るんだったら、何処へだって」
俺がそう言うと、2人は顔を見合わせた。
「俺はそのためにここにいるんだから」
そう、俺はここにいる。
二人との関係性もあんまり変わってないらしい。なら、最初に思ったことを貫くだけだ。
俺は、二人を守るんだ。
最初のコメントを投稿しよう!