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「おかえり、3人とも」
自陣に帰ると、儚い笑顔の人が迎えてくれた。紫色のマスクにふわふわとした髪…ゲームのそれと何一つ変わらない、竹中半兵衛だ。
「ただいま戻りました、半兵衛様!!」
「うん、お疲れ様。どうだった?」
「半兵衛様のおっしゃる通り、敵将を討ち取って参りました!!」
「家康が、ね」
「大和!!水を指すな!!」
ぽつりと呟くと聞こえていたようで三成に睨まれた。…だって本当のことだし。
「元はと言えば貴様のせいだろう!!貴様が倒れなどしなければ…!!」
「…それは、ごめん」
「三成、そう大和を責めるなよ。大和だって頑張ってくれてるんだ」
「甘やかすなと言っている!!」
…上司の前でも変わらないんだなぁ、2人は。半兵衛苦笑いだよ?
「いいんだよ、三成君。大和君は書類整備とかの方が得意なんだ。適材適所、だよ」
「しかし…!!」
「まあ確かに、自分の身を守れるくらいにはなった方がいいかもしれないね。…君もそう思うだろう?」
そう言って半兵衛は振り返った。…そこに居たのは
「ね、秀吉」
「…力は全てだ」
「だって、大和君。ま、おいおい頑張ろうね」
「…はい」
豊臣秀吉。三成と家康…と一応俺が仕える男。ゲームでは感じられない、圧倒的な威圧感がとても強い。
「秀吉様!!!私に大和を鍛える許可を…!!!」
「…うむ。いいだろう」
「有難うございます!!!」
声を掛けられ、嬉しそうな三成。やっぱり秀吉の事が大好きなんだなぁ…。
「じゃ、そろそろ戻ろうか」
「お伴いたします!!!」
「うん、頼んだよ」
す、と歩き出す半兵衛に秀吉、三成が続く。それに家康も続いていった。
「どうしたんだ、大和?帰ろう」
「う、うん」
帰る、か。俺にはピンと来ないけど…まあとやかく言ってもしょうがないな。
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