休題二

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毛利の地を奪い、何日か後。石田三成は手負いの木代大和を抱きながら、大阪に帰ってきた。 「三成!帰ってきたんだな!!」 「家康…」 大阪城の門で、徳川家康が二人の帰りを待っていた。馬に乗っている三成の姿を見て、駆け寄ってくる。 「…やま、と?」 「…」 「どうし、たんだ。大和…」 三成の腕の中で顔を白くして眠っている彼を見て、家康は狼狽える。 「…疲れたな。さあ、早く部屋に連れて行こう!」 「…何故だッ!家康!!何故私を責めない!?」 「三成…」 「家康!私は!こいつを…ッ」 同じく彼を想う家康なら、自分を責めてくれると思ったのに、家康は責めてくれはしなかった。ただ、苦笑して…三成の罪を、許す事を選んだ。 「お前も傷ついたのだろう?きっと、ワシでも同じだったさ…」 「違う!違う…!!私の判断が、大和の布陣を乱したのだ!私は…!」 「何をしているんだい?二人とも…」 門前で話をする二人の所にやって来たのは、竹中半兵衛。彼は三成に近付くと、大和の顔を覗き込み、頭を一度だけ撫でた。 「…今回も、豊臣軍には死者は無かったと聞いたよ。よく頑張ったね、二人とも」 「半兵衛様ッ!それはッ」 「早く大和君を休ませてあげよう。それが一番だよ」 半兵衛も三成を責めずに、立ち去り医者の手配などを行いに行ってしまった。…三成に残されたのは、大和を部屋に運ぶという役割だけの様だった。
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