休題二

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「三成…?大和だけど」 トントンと襖をノック。余り音はしないけど、三成には聞こえる筈だ。 「…入っても、いいかな?」 そこまで言うと、襖が少しだけ開いた。どうやらOKということらしいね。 「…三成。えーっと、おはようかな?」 「…」 三成は部屋の隅でお山座りをしている、可哀想に。 「まだ傷は治ってないね。…ごめんね」 三成の顔には、小さな傷がいくつかあった。他の体の部位は装備のせいで見えないけど、いくつも傷があるだろう。…俺のせいで。 「ぜ…」 「ん?」 「何故、私に謝る!」 三成が立ち上がったと思うと、俺の肩を掴まれた。あいてて、結構な力である。 「先の戦で、貴様が怪我をしたのは私の判断のせいだッなのに何故…!何故、誰も責めてはくれないッ!!」 「三成…俺は、三成のせいだなんて思ってないよ。…むしろ、俺のせいで三成が傷ついて…申し訳ないと、思ってる」 俺が不甲斐ないせいで、三成が暴行を受けた、それは揺るぎないのに…どうして、三成がそんなに気にしてるんだろう。 「違うッ!貴様は読みが外れてから、一度引く算段を建てたのだ!それを私が拒否した為、貴様があの選択をしなければならなかった!!」 「三成…あれは俺が、」 「私のせいで、貴様がッ!…大和が、傷付いた」 三成の悲しそうな表情が、俺を見つめた。そして我に帰り、手を離してまたお山座りに戻る。 「三成?…俺は大丈夫だよ、もう痛くもないし。銃を撃ったのは、…三成が傷付くのを、見たく無かったからだよ」 「…」 「俺は、三成が傷付くのは嫌なんだ。でも、三成もそう思ってくれてるなんて…考えもしなかった」 三成がチラ、とこちらを見た。…ほんと小動物みたいだなぁ。 「違う、私が…」 「うん、三成も悪いのかもしれない。でも、俺も悪いよ」 俺も、自分を責めた。でもそれじゃいけないんだと、三成が気付かせてくれたから。 「それで、終わりにしよ?ほら、お土産も買って来れなかったしさ。お茶菓子でも買いに行こうよ?それで皆で、お茶会…」 「大和…?」 「ッ…!だいじょ、ぶだよ」 鎮静剤でも切れたのか、忘れていたあの日の激痛が戻って来て、俺は膝をついた。 「大和!!…無理をして…部屋に戻るぞ」 「てて…ごめん、ね」 俺はこうして、部屋に戻ることになった。
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