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「家康…、大丈夫?」
「ん?何がだ?」
半兵衛の蚊帳?から帰ってきて、自分達のテント?蚊帳?に入った。そこには3つの寝床が用意されていた、もう1つはおそらく三成のものだろう。
「その、友達、なんでしょ?長曽我部って…」
「あぁ、そのことか」
家康は苦く笑った。その笑みは、聞いて欲しくないと言っていたけど。
「仕方ないんだ。…きっと元親もわかってくれるさ」
「…そうかな。豊臣って、あんま好かれてないイメージ…印象だけど」
「…そうかもしれないな」
アニキって真っ直ぐキャラだし、降伏とかしなさそうっていうかしないよね、多分。それは家康もよくわかってるだろう。
「…家康はさ、やっぱり、不満?」
「…何がだ?」
何がか、なんて家康はわかっているのだ。でも、触れてほしくないから、はぐらかす。…俺は、触れない方がいいんだろうなぁ…。
「なんでもないよ」
「そうか」
家康、ほっとしてる。でも…聞かなくて、俺もちょっとほっとしたんだ。家康が秀吉を討ったら、3人の関係は終わってしまうから。
「とにかく。出発は明日だ。少し大和には厳しい旅路かもしれないが…」
「大丈夫だよ、家康。地獄の底までついて行くわ、ダーリン?」
「だ、だーりん?それは、独眼竜と同じ言葉か?」
「うん、旦那様ってことだよ」
そう言って俺はニッとわらってやった。すると、見る見る家康の顔は赤くなっていく。
「や、大和!!本気なら、すぐにでも嫁に来て貰いたいんだが!!」
「はは、冗談上手いなぁ、家康」
「じょ、冗談、か…」
家康はがっかりした表情だ。…俺に好意があるのは、現世の家康と一緒、なのかな。
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