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織斗は目をつむり、お大きく息を吸ってうちは、というよりは扇にちかいその柄の部分をぐっとにぎる。
そして、空中で野球のバッターのようにフォームをとる。
津波の波はすぐそこまできている結構でかい。
かっと目を開き、織斗は、
「おりゃああああああっ!!!」
とうちはを仰いだ。その瞬間、
うちはの後ろにあるジェットから火が噴き出す。
そのスピードは恐ろしいものだった。
織斗の体ももってかれそうになるも、背中、腕、足のジェット噴射を使い、踏ん張った。
うちはから押し出され、生み出された風は其れこそ災害レベルのものを生み出した。
織斗の後ろの家々が吹っ飛び、浜辺にあった、ヤシの木が、根ごと引きちぎられる。
そして、波にあたると、
パアアアアアアアアンと鼓膜が破れるのではないかという爆音をあげ、波をくだいた。
さらに、立ち上がりかけていた怪物がひざをつく。
「よっしゃあ!」
織斗がうちはを片手に持ち、ガッツポーズをとる。
すると、スルスルとうちはは織斗のスーツの一部に戻った。
「すごいな。質量とかどうなってんだあれ」
ーお前は私を着ているのだから、扱えるのは当たり前だ。
ただ、ー
というイタチの言葉の途中で、
グラッと、視界がゆがむ。
さらに、どっと疲れが織斗をおそった。
走って逃げたときの比ではない。
インフルエンザに瞬間的にかかったように身体が軋む。
「なんだこれ?」
フラフラとしてきた織斗にイタチは告げた。
ー最後まで、話を聞けと言っただろ。
織斗の創造を具現化、生成するのには、神経を繋いでいる分負担がかかっている。
だから、創造以上のものを作りだすと、織斗にもその分の負担はかかるんだ。
さっきの大きさだと、20秒が限界だ。
それ以上だと、織斗が死ぬー
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