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『ねぇ、なんか今…デートとか、聞こえたんだけど』
まさか、ね?
と、冷静を保ちながらも内心心臓が半端ない早さで動き、テンパっている私が、これを直接亮に聞けたのは奇跡だと我ながら思う。
なのに亮は、なにを考えているのか相変わらずの顔に、眉間の皺だけ増やし私にこう言ったのだ。
「あ?お前、耳まで悪くなんたんか?そう言うたやろ、さっさと用意せぇや。はよせな、そのままの姿で連れてくで」
『……なんやねん、その俺様。横暴過ぎ、モテへんで』
「なんか言うたか?」
『いえ、何も』
本当は甘えたで、子供好きなくせに。
…とは、さすがに口にした後が怖いから止めたけど。
亮が有言実行な事は十分知っているので、私はパジャマのまま連れ出されるのを避ける為仕方なく着替え出掛ける準備を始めた。
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