デート

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デート

―ピンポーン。 …誰か来た。 私が洗面を済ませ濡れた顔をタオルで拭っていると、聞こえてきたインターホンの音に顔を歪める。 …面倒くさい。 ―ピンポーン、ピンポーン あーもー、誰? しかも、こんっな朝っぱらから…。 勘弁してよ、普段の私なら寝てるっての! 心の中で文句を言いながらも、焦ることなく玄関へ向かえば繰り返されるインターホンの音に若干切れながらも、私は玄関の扉を開く。 『なんやねんっ!新聞も宗教もお断りや!間に合ってんねん』 「お前…怖っ。なんちゅー出迎え方やねん」 聞こえてきた声に、私は一気に血の気が下がる。 『ッ!!…り、亮…?』 「おう、おはよーさん。とりあえず、部屋上げろや」 ニッコリ、と珍しく笑顔を見せた亮の姿に、私は一瞬騙され(笑)そうになりながらも、返事も聞かずに上がり込む幼なじみを慌てて引き止める。 『…は?いやいや、亮何しに来たの?』 「別に?暇やから、お前とデートでもしよーかと思って。ちゅうか、そない慌てんでも今更見られて困るもんもないやろ。お前今フリーやし」 『うっさいねん!』 て、 えー、と。 えぇー!? 今さっき、めっちゃ然り気無くやけど、どんでもない単語が聞こえた気がするんだけどっ!!
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