5人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
デート
―ピンポーン。
…誰か来た。
私が洗面を済ませ濡れた顔をタオルで拭っていると、聞こえてきたインターホンの音に顔を歪める。
…面倒くさい。
―ピンポーン、ピンポーン
あーもー、誰?
しかも、こんっな朝っぱらから…。
勘弁してよ、普段の私なら寝てるっての!
心の中で文句を言いながらも、焦ることなく玄関へ向かえば繰り返されるインターホンの音に若干切れながらも、私は玄関の扉を開く。
『なんやねんっ!新聞も宗教もお断りや!間に合ってんねん』
「お前…怖っ。なんちゅー出迎え方やねん」
聞こえてきた声に、私は一気に血の気が下がる。
『ッ!!…り、亮…?』
「おう、おはよーさん。とりあえず、部屋上げろや」
ニッコリ、と珍しく笑顔を見せた亮の姿に、私は一瞬騙され(笑)そうになりながらも、返事も聞かずに上がり込む幼なじみを慌てて引き止める。
『…は?いやいや、亮何しに来たの?』
「別に?暇やから、お前とデートでもしよーかと思って。ちゅうか、そない慌てんでも今更見られて困るもんもないやろ。お前今フリーやし」
『うっさいねん!』
て、
えー、と。
えぇー!?
今さっき、めっちゃ然り気無くやけど、どんでもない単語が聞こえた気がするんだけどっ!!
最初のコメントを投稿しよう!