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俺が1人でパニックに陥ってると、物音に気がついたのか、キスをした強面がこちらに顔を向けた。
「やばっ」
変質者は慌てて俺の頭を押さえ込み、隠れる。
隠れる瞬間、背を向けていたもう1人が、振り向いたのか見えた。
一瞬だったからよく分からなかったが、目が合った・・・か?
一瞬見えた目。
切れ長で、冷たい目・・・だったように思った。
一瞬だったのに、何故か引き込まれそうになった。
切れ長で、冷たくて・・・綺麗な目。
どっかで・・・?
何か思い出しそうになるが、よく分からない。
もう一度見たくて、俺は押さえつける手を払いのけて、もう一度そっと広場のほうを見た。
そこにいた二人は、既に背を向けて歩き出していた。
茶髪より、頭一つ分小さい背。
茶髪がデカいだけで、決して背が低い訳ではない。
綺麗な体のラインと、光を反射する綺麗な黒髪。
その背が木の間に消えて、やっと見とれていたことに気付いた。
ハッとして横を見ると、じーっと人の顔をガン見してる変質者がいた・・・
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