1

6/11
前へ
/20ページ
次へ
俺が1人でパニックに陥ってると、物音に気がついたのか、キスをした強面がこちらに顔を向けた。 「やばっ」 変質者は慌てて俺の頭を押さえ込み、隠れる。 隠れる瞬間、背を向けていたもう1人が、振り向いたのか見えた。 一瞬だったからよく分からなかったが、目が合った・・・か? 一瞬見えた目。 切れ長で、冷たい目・・・だったように思った。 一瞬だったのに、何故か引き込まれそうになった。 切れ長で、冷たくて・・・綺麗な目。 どっかで・・・? 何か思い出しそうになるが、よく分からない。 もう一度見たくて、俺は押さえつける手を払いのけて、もう一度そっと広場のほうを見た。 そこにいた二人は、既に背を向けて歩き出していた。 茶髪より、頭一つ分小さい背。 茶髪がデカいだけで、決して背が低い訳ではない。 綺麗な体のラインと、光を反射する綺麗な黒髪。 その背が木の間に消えて、やっと見とれていたことに気付いた。 ハッとして横を見ると、じーっと人の顔をガン見してる変質者がいた・・・
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加