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「いやぁ!入学式早々あの二人に会えるとか、めっちゃついてるわぁ!」
体育館に向かう道、横でキャッキャ浮かれてるのは、早くもダメージから立ち直った変質者。
もぅ、本当・・・なんて言うか・・・人生薔薇色ですって顔で飛び跳ねてる。
朝から元気だな、おい。
「なに、なの2人ってそんなすごい人達なの?」
かなり呆れながら聞くと、
「え、お前あの人等知らんの?」
信じられない何コイツ馬鹿なの?
って目で見ながら質問仕返されたから殴ってみた。
「おま・・・顔に似合わんと手早いな・・・」
「そんな強く殴ってないだろ。そして人聞きの悪い言い方やめろ」
頭を抱えながら大袈裟に非難の目を向けてくる変質者に、で?と先を促す。
「あの人等はな、1個上の先輩で、高野先輩と峰岸先輩!茶髪のイケメンが高野先輩で、黒髪の美人が峰岸先輩な!」
にこにこにこ
なぜ、人の紹介でそんな嬉しそうな顔するんだ。
「そしてそして!!聞いて驚けっ。高野先輩は、あの『聖夜叉』の総長で、峰岸先輩はその右腕的存在なのだぁ!!!!」
まるで自分の事のように、誇らしげに拳を天に突き上げ言い切った変質者。
しばらくの沈黙の後
「・・・ふぅん」
俺の返答にずっこけた。
こんな古典的なコケ方する奴、初めて見た。
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