1

8/11
前へ
/20ページ
次へ
「いやぁ!入学式早々あの二人に会えるとか、めっちゃついてるわぁ!」 体育館に向かう道、横でキャッキャ浮かれてるのは、早くもダメージから立ち直った変質者。 もぅ、本当・・・なんて言うか・・・人生薔薇色ですって顔で飛び跳ねてる。 朝から元気だな、おい。 「なに、なの2人ってそんなすごい人達なの?」 かなり呆れながら聞くと、 「え、お前あの人等知らんの?」 信じられない何コイツ馬鹿なの? って目で見ながら質問仕返されたから殴ってみた。 「おま・・・顔に似合わんと手早いな・・・」 「そんな強く殴ってないだろ。そして人聞きの悪い言い方やめろ」 頭を抱えながら大袈裟に非難の目を向けてくる変質者に、で?と先を促す。 「あの人等はな、1個上の先輩で、高野先輩と峰岸先輩!茶髪のイケメンが高野先輩で、黒髪の美人が峰岸先輩な!」 にこにこにこ なぜ、人の紹介でそんな嬉しそうな顔するんだ。 「そしてそして!!聞いて驚けっ。高野先輩は、あの『聖夜叉』の総長で、峰岸先輩はその右腕的存在なのだぁ!!!!」 まるで自分の事のように、誇らしげに拳を天に突き上げ言い切った変質者。 しばらくの沈黙の後 「・・・ふぅん」 俺の返答にずっこけた。 こんな古典的なコケ方する奴、初めて見た。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加