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「ハァハァ、くそ!!…来んな!…来んなよ!!」
俺は逃げていた。現実ではあり得ないものから。
俺は負けた。代役の争いから。
だから逃げた。
そして、逃げられなくなった。…いや、正確には体の自由を奪われた。
「くっ…!!動け…!くそ!」
「無駄だ。我の力は絶対だ。」
この人間によく似た容姿をした人間ならざぬ者。
「神」だ。
「俺は戦った!この世界じゃあ、自由のきかないお前のために!」
「ああ…確かに貴公は我のためによく戦ってくれた。褒めてやる。だが…負けただろ?」
「勝敗が全部なのかよ!おい!?器がちっせえんじゃねぇの?」
「器が小さかろうと勝敗が全てだ。絶対なんだ。」
「ふざけん…!」
神は言霊を言いはない、男の言動さえも封じた。
「我かて悪いとは思っているし、こんなことも不本意だ。だが…」
神は腰にさげていた剣を抜き、
「掟に沿わねばならない。敗者の代役には償いを受けるという掟にな。」
空へと持ち上げ
「すまぬな。人間。
だが、償いを行わねば示しがつかない。」
振り抜いた。
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