833人が本棚に入れています
本棚に追加
「…蜜、乾いたシャツ取って来て」
「うわ…っ…なんで脱…」
哲の胸には、蝶がいる。
綺麗な、紫色の蝶。
赤い髪、紫の蝶、銀のピアス。
程よい筋肉の上半身。
だけど。
……あれ?
何か、どこか、違うような…?
「…や、何故か頭上からシャワーが」
ずぶ濡れたし、ついでだからシャンプー貸して。
ポタポタと髪の先から雫を落とす哲が、これも洗っといて、と今まで着ていたカーキ色のパーカーと黒のシャツを、ぺちゃりと床に放り投げた。
まじまじと、哲の蝶を見ようとそばに寄れば、慣れたもので哲も動きを止めてくれる。
「…なに」
「…哲……なんか違う…」
「……ああ、これじゃない?」
指さされたのは、おへそ。
銀色の、小さな粒が、光っていた。
最初のコメントを投稿しよう!