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私は、音楽が好きだ。
童謡も、クラシックも、吹奏楽も。
歌謡曲も演歌も、いい。
もちろん、ロック系統も。
「……す…き…」
あれ?
今…私、寝言…言ったね。
「誰をですか~?」
ふいに、すぐそばで楽しげな女の子の声がして、私の意識は急に現実に向かって浮上していく。
この、可愛らしい声。
私の隣の部屋に住む、口数の少ない根暗男をもってしても可愛いと言わしめた、ロリ顔ロリ声、ましゅまろボディ。
「…雪音ちゃんをかな~」
「なんだぁ、寝ぼけてる時くらい男の子の名前言ってくださいよ~」
ころころと笑う雪音ちゃんに、柔らかく肩を揺さぶられる。
ああ、なんて優しい起こし方。こんなお嬢さんが私の嫁だったら幸せだ。
「蜜さん、帰れますか?一緒に帰ります?」
あれ?
私、いまどこに来ていて、どうして寝てたんだっけ?
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