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14日の、木曜日。 と、雪音ちゃんと決めた日を、メモ代わりにメールした。 よく考えたら、わざわざメールなんかしなくても、帰ったら言えば良いんだった。 哲は雪音ちゃんを好きだ。 雪音ちゃんは、哲を好いてくれるだろうか。 カッコいいですよねぇ、だけじゃ、駄目だと思う。 だけど、もしかしたら。 トランペットのハイツェーの高音域を必死に吹き上げ、くらくらした頭で、ふと思う。 私がいたら、駄目なんじゃないか? ぞくり、と血の気が引いたのがわかった。 音が途切れ、ピッチの合わない不協和音。 「ごめ……もっかい、いい?」 仮にも私は女で。 いくら恋心が互いに無いと言っても、雪音ちゃんみたいに可愛い子が、納得するだろうか? まだ雪音ちゃんの彼氏に昇格したわけじゃないけど、そうなるように願っている私を、疎ましく思うんじゃないだろうか? 切れた息を整え、顔を上げれば、遼の、気がかりそうな優しい黒い目。 思わず、目を逸らした。
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