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「ここは。」
驚いていると、後ろから声がした。
「15年ぶりですね、夏野柳」
聞き覚えのある声、そう神だった。
「あんたは…」
「ずいぶんと、老けましたね。」
そういって、少し微笑んだ
「子どもを育てればこうなるさ。それに、俺はもう30代だしな」
「ま、そうですね。世間話はこのくらいにして、本題に入ります。
約束の時が来ましたあなたの願いを叶え時が。
あなたは、りっぱにルナを育ててくれた。
その、お礼に一つだけ叶えましょう。あなたの、心の中の一番強い願いを」
俺は、その言葉に慌てた。
「まってくれ!確かに15年前に叶えて欲しい願いはあった。けど、今はそんなものはない!」
「いえ、あなたの中には願いがありますよ。とびきり強いね」
「だったら!その願いを叶えなくていい!」
「ほう、それはなぜ」
俺は、必死だった。なぜ?
願いを叶えてくれるのに、それを拒んだ。なぜ?
簡単だ、
「ルナと、あいつと一緒にいたいからだ!」
ルナと別れたくなかったからいつの間にか、彼女を一人の人間として愛していたからだ
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