水上ボードレース

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わたし矢島リリコはほとんどのことが得意分野に属していない女の子。 勉強はほぼ全ての教科が平均以下。運動もてんでダメで、家事や炊事なんかもこれっぽっちも出来ない。つまり女性としてのスキルも兼ね備えていないのだ。さらに魔法に関してもこれといって自慢できるような力は持っていない。 唯一人より上手に扱える魔法といえば、物を操る技術だ。昔からこれだけはそこそこ自慢できていたが、最近ではそれを自慢してしまうことが恥ずかしくなってきた。 物を操るとは具体的に言うと物体を浮かせたりすることだ。遠くにあるものを手を使わずに取ったり、重い荷物を運んだりするときに重宝する。それが上手とはつまり、操った際のコントロールに左右する。浮かせた物体の操作は意外と難しいのだ。しかし、わたしにはそれが生まれながらにして簡単にこなせてしまえたらしい。 立つのが面倒なときにゴミをゴミ箱に浮かせて入れたり、一度に多くのものを器用に運んだり、わたしならぱぱっとやってのける。 でもお気づきの通りこの才能は才能と呼ぶにはおこがましいものだ。つまりは将来において何の役にもたたない才能なのだ。
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