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「あ~彼女ほしいな」
クラスにいるチャラ男が、クラスの女子全員に聞こえるように大きな声で言った。
「ゆう訓昨日女と歩いてたじゃん」
チャラ男に見事に釣られた女子がゆう君のもとに近づく。そして始まるバカトーーーーク。
「あんな話して何が楽しんだか。こっちにはいい迷惑だ」
「ほんとその通りだよネ」
「!!」
俺にだけ聞こえる声で言ったつもりなのに窓際から賛同の声がした。
「聞こえた?」
俺の左隣りに座っている我がクラスのアイドル宇佐見花火(うさみはなび)の方に顔を向けて聞いた。
「私耳いいからね」
ニコッと笑って答えた宇佐見。
いったいその笑顔にどれだけの男が落ちたことやら…。まぁおっ俺には効かないけどね。
この世の男という生き物は、話したり遊んだりすると大抵‘いける’と思ってしまうものなのだ。
「ところで、カメ君はどこがいやなの?あぁいうの」
宇佐見はクリッとした目で興味深そうに俺の目を見て聞いてきた。
やっぱりこういう可愛いくて人懐っこいタイプは苦手だな…。勘違いしそうになる。
「俺はゆう君の恋愛には興味なんて無いし、何しろ女子全員に聞こえるように言っているところがありえねぇ」
女子なら誰でもいい、みたいなのは女子を道具としか見てないように見えるんだよな。
「そうだよネ。あいつの恋愛なんて微塵も興味持てないよネ。どうせ女の子を道具としか思ってないんだヨ」
宇佐見は軽蔑の眼差しをゆう君に送った。が、その視線をゆう君が気づくはずもなっかた。
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