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「お疲れさまでした、お先に失礼します。」
私はもう一度オーナーに挨拶をした。
が。
私はオーナーに再度挨拶をしたことを物凄く後悔した────
「今何て言った?」
オーナーは低い声と鋭い目で私を突き刺す。
「え…あの……お疲れさまでした、お先に失礼します…?」
なになになになに!?
オーナーなんかキレてる?!!
逆鱗に触れた的な!!?
っていうか、私さっきも同じこと言ったけどあの時は何も言われてないよね!?
二回言った事がヤバかった!!?
二回言った事がヤバかったの??!
冷や汗と動悸が止まらない。
何を言われるのかとどぎまぎしていると、オーナーはずかずかとこちらへやってきた。
「お疲れさまってのは目下の人に使う言葉だって知らなかったのか!?こんな事は社会の常識だぞ!!!!」
え。
え。
「お言葉ですがオーナー。それは“ご苦労様”ではないのでしょうk…」
「これだから今どきの若者は常識がなくて困るわ!!あんたは丁度ゆとり世代のわかもんだろ!みりゃあ分かんだよ!!」
玉砕ーーっ!!!
私玉砕ーーーーー!!!
またもやオーナーの怒鳴り声が店内に響く。
私もう仕事終わったんだけどなぁー…
なんか理不尽だなぁー……
なんて思いながら、初日にしてオーナーの話を聞き流すというゆとり世代のスキルを最大限に活かし、話がおわるのを待った。
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