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私はレジでたばこの補充をしている野地さんにお先に失礼しますと声をかけると、野地さんはふわりと笑って労いの言葉を返してくれた。
野地さんは私の癒し…
そう謎の言葉を心の中で呟き、事務所へと向かった。
「失礼します」
誰もいないであろう事務所にそう言いながらドアを開けると、事務所に置いてあるパソコンの前に見慣れた顔があった。
「お疲れさまです店長!」
私がそう言うと、丸く大きな分厚い眼鏡を押し上げながらこちらを向いた。
「あら佐藤さん!お疲れさま~」
この人はこのお店の店長で、50代くらいの女性。
私が小さい頃からよく通っていたコンビニなので、店長とは仲が良い。
面接をしてくれたのも店長だった。
「バイト初日はどうだった?大変だったでしょ、覚える事が多くて」
「慣れないことが多いので、これから頑張ります!」
「佐藤さんは頑張り屋さんねぇ~」
「えへへ…」
私は制服から私服に着替えると、また店長に挨拶をし事務所をあとにした。
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