冴えない前書き

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では、説明に入らせてもらおう。 この物語は僕……菅原 邦弥(すがわら ほうや)の主観的な視点で紡がれていく。 特徴は父親譲りの天然パーマ。ちなみに注意事項程度に言っておくが、名前の意味とかは特にない。というのも、そもそもだ。 こういった小説やアニメに出てくる人物の名前というのは大体が、そういったものを無視した、『取り敢えず印象に残ればいいや!』とかいう浅はかなものなのだから、こちら側としても細かいところはつつかないでもらいたい。 というか、親がどういう意味を込めて名前をつけたか、なんて一々説明していたら何と堅苦しいものだろうか。 新感覚と言われればそれまでだが、ここではまぁ上記の通り行かせていただく。 さぁ、話の軌道を元に戻そう。 僕が住んでいる所…もっといえば物語の舞台となる場所は東京都内にある某所だ。 補足説明すれば、ある程度都会感がでている都内では田舎の部類に入る場所だ。 随分アバウトと思うかもしれないが、場所を事細かに伝えたところで読者にしても書き手にしても、もっといえば僕達登場人物からしても大して意味のないことなのだから、少しばかり手を抜いても別段大きな問題にはならないだろう。 とにもかくにも、僕はそこに住んでいる。 さて、僕的には長ったるかった説明はここらで終わりにして、いよいよ最後となる設定を発表させてもらおう。 この物語の最も重要な設定を。 なに、身構える必要はない。 単純に…………… この物語に“主人公”は存在しないという事だけだ。
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