魔性の女

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「…………」 「あたしがマオと姉弟なのは、サヤちゃんとキョージさんしか知らない秘密なのにぃ」 「聞けば良いんでしょ聞けば!マオとは一体どうなったのよ!気になって心配で仕方ないわよ!別にどうだって良いけどとっとと言いなさいよ!」 口ではこんな風に言ってるサヤちゃんだけど、ホントはあたしを心配してくれてるんだって事はわかってる。 だって、今朝。 教室であたしと顔を合わせたサヤちゃんの第一声は、朝の挨拶よりも先に「電話番号とメアド教えなさいよ」だった。 きょとんとするあたしに、サヤちゃんは慌てたように「べ、別にイヤなら良いわよ。知ってれば色々便利なんじゃないかと思っただけだし。でも良く考えたら、アンタに電話する事もメールする事もないだろうし」と続けた。 でも、その言葉で悟ってしまった。
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