秘恋

魔性の女

きっとサヤちゃんは、夕べあたしに電話だかメールだかをしようとしてくれたに違いない、って。

あんな告白をしたあたしを、心配してくれてたに違いない、って。

そしてその時になって、あたしの電話番号もメールアドレスも知らない事に気付いたに違いない、って。

マオとの事は、一応報告しなきゃって思ってた。

でも、そんなサヤちゃんの気持ちを知って、余計にあたしは嬉しくなった。

番号とアドレスを交換し合った後は、ずっとニヤニヤが止まらなくなった。

ホントはただ「マオとヨリを戻した」って事だけを伝えようと思ってた。

でも、そんな不器用すぎるサヤちゃんには、すべてを聞いて貰いたいと思った。