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目を開けると、見慣れない天井が飛び込んできた。
「ここどこだっけ・・・」
上半身を起こすと、広いベットと、サイドテーブルに活けてある白いバラが目に映る。
その瞬間、眠りに落ちる前の記憶がフラッシュバックする。
「~~~!」
声にならない叫び声を上げて、私はもう一度ベットに倒れこんだ。
◆◆◆
2回目キスはとても深かった。
長く触れるだけのキスに、私の唇が空気を求めて少し開く。
それを狙っていたかの様に、高藤さんの舌がゆっくりと入ってくる。
その感触に、私の舌がびくりと奥に逃げる。
けれど
すぐに捕まってしまう。
舌を絡ませ、吸い上げ、緩急を付けて、味わう様に繰り返されるキスに、体を支えることができない。
そんな私を片腕で支えながら、高藤さんはより一層深く口づけをする。
「・・・んっ」
思わず漏れた甘い声。
そんな自分が恥ずかしくて、どうしていいか分からない。
ふっと笑う気配がして、高藤さんがやっと顔を離す。
楽しげに妖しく光るその瞳に、普段の自分とは違う、女の顔をした私が写っている。思わず視線を外すと。
首筋に柔らかな感触を感じる。
「あっ・・・」
高藤さんは、首筋に埋めていた顔をゆっくり上げる。
そして言ったのだ。あっけらかんと。
「そろそろ寝ようか。」
それは隠語ではなく、本当に『寝る』という意味だったらしく。
その後、てきぱきと寝る準備をさせられると、高藤さんは私を抱きしめたまま眠りについたのだった。
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