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 ゴッツの店を後にした後、各アイテムを揃える為に露天を回ったり、と大忙し。  その後、先程死に戻りにまで追い込まれた迷宮に篭り、経験値を稼ぐ。  先程の二の舞にならないように、アイテムの消耗具合やHPに気配りながら狩りを続けた。  レアアイテムのドロップ等でほくほく顔で安全エリアまで戻ると、本日のプレイを切り上げようと町に戻るためにアイテムポーチから転移結晶を手に取る。  結晶の砕ける音が洞窟の中に響き渡り、眩い光のエフェクトと共に俺はホームとして設定してある始まりの街へと転移した。  目を開けると見慣れた景色が広がる。  今まで長き日々を過ごしてきた始まりの街。 素材屋でドロップしたアイテム等を売ると、俺は自分の家に向かう。 「何か今日はプレイヤーの姿が見えないな……」  余り気にしてはいなかったのだが、死に戻りしてからというものの始まりの街だというのにプレイヤーの姿を見た覚えがない。  雑貨屋でのイベントでそれどころではなかったが、この時間帯に人っ子一人いないというのはおかしい。 「たまにはこういう日もあるか」  まぁ、基本的にソロな俺はフレンドがいる訳でもないので困らないのだが。 自分の家に着くと、俺は装備を解除してベッドに寝転がる。  右手を縦に振りかざすとウィンドウが開く。 そこからログアウトボタンを押すと現実世界に帰れるのだが……。 「無い……。ログアウトボタンが……」  慌てながらも何度も確認する。 ウィンドウの各ボタンを押してみるがそれらしき表示はどこにも無い。  呼吸が荒くなっていくのを感じる。  GM(ゲームマスター)コールを試みようとするが、それらしきボタンも見当たらない。  そして俺は現実世界に戻れなくなった。
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