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翌朝。
窓から照りつける日差しで目覚める俺。
現実世界に帰れなくなったことにも関わらず不思議と混乱していない。
現実世界で俺はフリーター(ニート)だった。
派遣の仕事が入れば淡々とその仕事をこなしては帰ってゲームの繰り返し。
食ってはゲーム。そして寝る。
金には困っていなかったし、それなりに充実していた。
何よりもエリザさんに(ゲームで)会える喜びが俺を支えているといっても過言では無いのだから。
ログアウト出来なくなって帰れないということは、俺の現実はこの世界になった訳で――そこで思考を強制停止させる。
昨日もまったく同じ事を考えていたんだ。いつのまにか寝落ちしてしまったが。
「とにかく、慌ててログアウト出来るようになる訳でも無いし、俺は今まで通り。この世界を楽しめば良いんだ」
でも、待てよ?
どっかのラノベで似たようにログアウト出来なくなって死んだら現実でも死ぬとかいうの読んだことあるぞ。
この状態で死んだらどうなるんだ?
そこまで考えが至ると次第に恐怖心が膨らんでくる。
(とにかくしばらくは街から出ない方が良いかもしれないな)
街の中でも回復薬や状態異常といったアイテムは常に多く持っておこう。
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