聖ミカエル学園

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幸「詩歌先輩、僕たちも仕事そろそろ終わりにします?」 詩歌から急いで離れた幸村は、次の瞬間にはけろりとして、そう言った。 詩「え?転校生の話はもうええんか?」 詩歌は拍子抜けして、ぽかんとして聞く。 それも無理もない、先程まで血相抱えて詰め寄ってきた相手が、次の瞬間には興味など一切ありませんという顔をしているのだ。 詩歌の方が幸村より少し高いので、いつもなら見下ろすのだが、今は詩歌が座り幸村が立っているので反対に詩歌が幸村を見上げる形になる。 詩歌は幸村の顔を覗き込むように見上げると、幸村の頬はうっすらと上気していた。 おそらく、取り乱したことが恥ずかしかったのだろう。 幸村たちは、図書館塔の戸締まりを足早に済ませ、寮へと肩を並べて帰った。 去り際、幸村が呟いた言葉を詩歌が拾うことはなかった。 幸「面白くなりそうだ…」
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