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?「ねえ、兄さん。おじい様、なんの話なんだろうね?」
紅茶色のサラサラとした髪、ルビーのような美しい赤い目の色白の美少年が、隣を歩く少年に話しかける。
?「さあ、どうでしょう。私には分かりかねます。
おじい様のことですから、また何か面白い遊びでも思いついたのではないですか?」
隣の少年は、藍色の髪に灰色の目の冷たい感じの美少年で、いくらか赤眼の少年より背が高い。
この2人、系統は違うものの、顔の造りは似ていた。
血縁なのだろう。
2人は豪奢だが、あまり飾りたててはいない広い廊下を並んで歩いている。
紅茶色の髪の少年は、極寺庵李といい、世界有数の財閥、極寺財閥本家の今年15になる次男である。
藍色の髪の少年は、極寺錦といい、庵李の一つ上の兄だ。
ゆくゆくは、この極寺家の当主となり、極寺財閥を背負って立つ人物だ。
その所為か、一人称は「私」になり、弟にすら敬語で話すようになっていた。
今日2人は、現在の極寺家のトップに立つ男、2人の祖父にあたる極寺楽一郎に呼び出されていた。
暫く歩くと2人は立ち止まった。
目的の部屋の前に着いたのだ。
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