892人が本棚に入れています
本棚に追加
「裏庭は生徒の担当じゃないけど一番ポイ捨てが多いってじぃちゃんが嘆いてたから、いつもそっちにいた」
(手伝った礼に菓子くれたし)
「え、えー…?」
「でも今日は寝過ごしたせいで、ただのサボりになったから」
「あぁー…だから謝ったんですねぇ」
なにか悪い事したか?と首を傾げられては何も言えない。
いや、君のそれはとても素晴らしい精神だし、なんなら見習うべきことだと思う。
「あー…うーん、うん……うん!」
どう突っ込めばいいのか分からず助けを求めて後ろを振り向けば、友人はそっと僕から目をそらした。
「別に、担任も何も言ってなかっただろ?」
ってきりお前が怖くてなんも言わなかったと思ってましたよ!!!
「……すいません。僕が勘違いしてました」
頭を下げてトボトボと離れた場所にある席に戻ろうとしたとき、
「委員長」
「なんで、しょうか……」
「俺、もう用事あるから帰る」
チャイム鳴ったのに担任こねぇーし、とボヤいて八木君は勝手に帰ってしまった。
「……委員長、どんまい!!」
「うん、どんまい!よくやった!!」
何故か、周りから拍手されたが
やかましい!!!!
その日、裏庭も生徒で清掃をしませんか?という課題が上がったのが言うまでもない…。
============================
補足:
委員長
ビビりだけど言うべき時は、はっきりと声をあげるタイプ
根っからの優等生。
この一件で、勇者の称号を得た。
用務員の小松さん(65歳)
あだ名は「じぃちゃん」。
裏庭は、ちょっとガラの悪い連中の溜まり場みたいになっていたらしく、
中々教室に戻ってくれない子たちに苦労してた様子。
八木がいてやりやすくなったことに感謝している。
たまの話し相手
最初のコメントを投稿しよう!