887人が本棚に入れています
本棚に追加
/190ページ
どっちが大事なんて答えが欲しいわけじゃなくて、なんとなくしてみたかった。
よく寝てるみたいだし、まだ起きないよな…?
ほんの出来心から、フニフニと頬を指先でつついてみた。
眉間のしわ、耳たぶ。その次に目をやったのは唇。
うっ。そこはいいのか…?と躊躇うも、俺だって男なのだから触りたい。
なんて考えてると触りすぎたのか先生が身じろいだ。
「…!」
咄嗟に顔から手を離したタイミングで、ゆっくりと先生の目が開く。
「…ん・あ、れ?…唯君?」
一瞬なにか考えている素振りに、バレたのか!?と焦る。
「ここで寝んなよ。風邪ひく」
「先に寝てなかったの?」
「ちょっと目が覚めて…。あと、芦屋さんが先生を宜しくって」
「アイツ…」
やっぱ少し口が悪いな。
まぁそれはいいとして、飲み物でも持ってきた方がいいか?
確か冷蔵庫にペットボトルの茶かミネラルウォーターがあったはずだ。
よし、っと立ち上がろうとすると腕を掴まれた。
「一緒に寝よっか」
「寝よ、って…、寝!?」
「俺の寝室で待っててね。あ、先に寝てていいけど――」
”悪戯しようとして、悪い子だね”
「ひっ!?」
耳元で囁かれて鳥肌が立った。
最初のコメントを投稿しよう!