2章前:(あなたといる)

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どっちが大事なんて答えが欲しいわけじゃなくて、なんとなくしてみたかった。 よく寝てるみたいだし、まだ起きないよな…? ほんの出来心から、フニフニと頬を指先でつついてみた。 眉間のしわ、耳たぶ。その次に目をやったのは唇。 うっ。そこはいいのか…?と躊躇(ためら)うも、俺だって男なのだから触りたい。 なんて考えてると触りすぎたのか先生が身じろいだ。 「…!」 咄嗟に顔から手を離したタイミングで、ゆっくりと先生の目が開く。 「…ん・あ、れ?…唯君?」 一瞬なにか考えている素振りに、バレたのか!?と焦る。 「ここで寝んなよ。風邪ひく」 「先に寝てなかったの?」 「ちょっと目が覚めて…。あと、芦屋さんが先生を宜しくって」 「アイツ…」 やっぱ少し口が悪いな。 まぁそれはいいとして、飲み物でも持ってきた方がいいか? 確か冷蔵庫にペットボトルの茶かミネラルウォーターがあったはずだ。 よし、っと立ち上がろうとすると腕を掴まれた。 「一緒に寝よっか」 「寝よ、って…、寝!?」 「俺の寝室で待っててね。あ、先に寝てていいけど――」 ”悪戯しようとして、悪い子だね” 「ひっ!?」 耳元で囁かれて鳥肌が立った。
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