* 頼(らい)

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束ねた銀髪が夕陽に照らされて黄金色に煌めき、頬杖をついて、此方に碧い目で視線を流して微笑む、まさしく王子様、な柚流が写っている。 ホゥッ。 至って普通の人の姉さんが、柚流に見惚れてため息を吐いた。 柚流め。 どれだけの女を虜にするつもりか(笑)? ま、本人にそんな気は無いと知ってるけどね。 「柚流ちゃん、カッコいいわねぇ」 うっとりしてるのは、気のせい……じゃないよな。 ハァ。 「ああ、だから女子には女にしとくの勿体無いって言われてるな。ちゃんと女の格好すれば美少女なのにな」 「え?女の子の格好したところ、見たことあるの?」 「ああ、昔、っても小学生だったけど、2人で出掛けた時、逆ナンの嵐で大変だったから、それ以来2人の時は女の格好してる。カップルに見せとけば寄って来ないからな。花芽が一緒なら良いんだけど、あいつ、人混みダメだから」 「え……」 ん?固まった? 「女の子の格好の柚流ちゃんて、想像つかないな」 「そうか?かなりの美少女だよ?柚流のお陰で女が怯んで寄って来ないからな。かわりに絡んで来そうな男を牽制しなきゃいけないけどさ」 「え……」 ん? 「花芽君が居たらどうなの?」 「んー、やっぱり花芽が可愛過ぎて女が寄って来ないな。男は俺と柚流が居たら怯むし。どっちにしろ、あいつ等と一緒だと声掛けられないから楽なんだよな。もう1人じゃ出掛けられん(笑)」 「ふうん……」 ん?何だ?
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