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束ねた銀髪が夕陽に照らされて黄金色に煌めき、頬杖をついて、此方に碧い目で視線を流して微笑む、まさしく王子様、な柚流が写っている。
ホゥッ。
至って普通の人の姉さんが、柚流に見惚れてため息を吐いた。
柚流め。
どれだけの女を虜にするつもりか(笑)?
ま、本人にそんな気は無いと知ってるけどね。
「柚流ちゃん、カッコいいわねぇ」
うっとりしてるのは、気のせい……じゃないよな。
ハァ。
「ああ、だから女子には女にしとくの勿体無いって言われてるな。ちゃんと女の格好すれば美少女なのにな」
「え?女の子の格好したところ、見たことあるの?」
「ああ、昔、っても小学生だったけど、2人で出掛けた時、逆ナンの嵐で大変だったから、それ以来2人の時は女の格好してる。カップルに見せとけば寄って来ないからな。花芽が一緒なら良いんだけど、あいつ、人混みダメだから」
「え……」
ん?固まった?
「女の子の格好の柚流ちゃんて、想像つかないな」
「そうか?かなりの美少女だよ?柚流のお陰で女が怯んで寄って来ないからな。かわりに絡んで来そうな男を牽制しなきゃいけないけどさ」
「え……」
ん?
「花芽君が居たらどうなの?」
「んー、やっぱり花芽が可愛過ぎて女が寄って来ないな。男は俺と柚流が居たら怯むし。どっちにしろ、あいつ等と一緒だと声掛けられないから楽なんだよな。もう1人じゃ出掛けられん(笑)」
「ふうん……」
ん?何だ?
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