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「あら、そんな格好で何してるの?」
仕事から帰った母さんがキッチンに顔を出す。
「あ、お帰り。風呂上がりで水飲みに来たんだ」
俺の言葉に、ハッ、とした姉さんが、俺から離れる。
「だから服を着なさい!」
プイッ、と横を向いて膨れる。
母さんはそれをスルーして。
「あら、また少し大きくなった?いい筋肉付いてるじゃない?」
俺の二の腕をペチペチ叩き始めた。
「そう?筋トレはしてるけど。最近道場行けてなくてさ」
「花芽君の親戚の?ちょっと遠いものね?」
「や、生徒会の仕事が立て込んでて。文化祭の企画とか。空いた時間に花芽に相手はして貰ってるけどね」
そんな話をしていると、もう、早く寝なさい、と、姉さんはキッチンを出て行った。
「あらあら」
母さんは、フフッ、と笑って、風邪引かない様にね、と、背中を押して俺をキッチンから追い出した。
残ってる書類を片付けて、寝ますかね。
部屋に戻り、やりかけの仕事を終わらせ、ベッドに入った。
俺も柚流も、明日は平気な顔であの2人と一緒に過ごせるんだろうか?
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