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と、縁の隣の男子がペコリと頭を下げる。
「何時も縁がお世話になっています。俺、1-Aの高橋(たかはし)直己(なおき)と言います」
あ、縁の親友君だね。
「どうも、副会長の高瀬です。縁を連れてきてくれてありがとうございます」
一緒に居られない、と言いながらも心配そうにしている高橋君にお礼を言えば、彼は慌てて首を振った。
「いえ、本当なら俺が一緒に居てやらなきゃなのに自分を優先しちゃって済みません。縁をよろしくお願いします」
丁寧なお辞儀をすると、彼は縁に、また後でな、と笑って部屋を出ていった。
「良い親友だね、頼が一緒なら此処まで来なくても良さそうなのにちゃんと来てくれて挨拶までしてくれて」
縁に言うと、ヘヘッ、と嬉しそうに笑った。
「直己だけは本気で俺の心配してくれるんですよー」
あー、縁はチャラ男な喋り方が癖になってるから、本気で困ってる様には見られないもんね。
直己君はそんな縁の本音をちゃんと聞いてくれるんだね。
「さて、それじゃ、僕は教室に戻るね。頼のファンクラブの皆さん、頼をお願いします」
僕がそう頭を下げると彼女達は、任せて下さい!とそれぞれ自分の胸に手を置いた。
縁のファンクラブの子達も入口付近で見守っていたので、縁をよろしくお願いしますね、と声を掛けると、声を揃えて、はい!と元気に返事をしてくれた。
縁のチャラキャラの事情を知っていて縁の応援をしてくれる数少ない方々だ。
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